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はしか(麻しん)とは

「はしか」は医学的には麻しんと呼ばれ麻疹と記載されることもあります。

はしか(麻しん)ウイルスに感染することによっておこる伝染病です。
人から人へ直接うつり、伝染力が非常に高い病気です。

その昔、日本においては「疱瘡は見目定め、麻しんは命定め」と言われていたそうです。これは「天然痘は痘痕(あばた)を残し見た目が悪くなる、麻しんは生命の危機である」という事です。60年くらい前までは、子どもが元気に3歳頃まで育ってそれから出生届を出すというように、子どもが小さい頃に死んでしまうことが珍しくない時代がありましたが、その原因のひとつに“はしか”の存在がありました。

潜伏期間(感染してから発病するまでの期間)10〜12日程度

症状

まず熱や咳、鼻汁、めやになどで始まり、目の充血や口の粘膜の発赤などが目立ちます。口の中の粘膜に白いブツブツ(コプリック斑)が見られることもあります。
3日ほど経った頃、一旦熱が軽くなりますがすぐまた高熱となります。
その頃から発疹(ブツブツ)が出てきます。発疹は耳の後ろから始まり次第に全身に広がります。
発疹が出始めて3〜4日経つと熱は下がり、発疹は次第に黒ずんだ色に変わってきます。

はしかの症状

感染力があるのはカタル期1日前から、解熱後1日まで(発疹出現の前後4日間)
藤井良知ら:小児感染症学より改変

はしかの顔貌

1.はしか顔貌
顔面に発疹があり、口、鼻、目も赤く腫れている。鼻水、目やにも見られる。

はしかの発疹

2.はしかの発疹
発疹は首すじや耳のうしろ辺りから始まり、翌日には顔や体幹部、そして四肢末端にまで、遠心性に広がっていきます。

はしかの発疹

3.はしかの発疹:
発疹が体幹部から四肢に広がり、体幹部の発疹は燃えるような勢いである。はしかのピークの状態。

はしかの発疹

4.はしかの発疹:
発疹は出た順序で薄くなっていく。体幹部の発疹が薄くなり、はしかのピークを過ぎるところ。発疹が消えると熱も下がる。

コプリック班

コプリック班
(国立感染研HPより):頬粘膜に見られる白い斑点。

予防接種

はしかの予防接種は、これまで1回だけでしたが、平成18年6月より小学校入学前の2回目接種が加わり2回接種となりました。
この2回接種は世界では当たり前に行われていた方法です。
しかし、我が国では昨年(平成19年)から再びはしかが流行して来ました。
そのため、国は今年(平成20年)4月より、2回接種の対象者に中学1年と高校3年生を加えました。そして、はしかを日本からなくすため法律を改正しました。
現在のはしかの定期予防接種は次の通りです。
1期:1歳代(1歳の誕生日から2歳の誕生日の前日まで)
2期:小学校入学前の1年間
3期:中学校1年生
4期:高校3年生(相当年齢)

2-4期の接種期間は4月1日から翌年3月31日まで。
3,4期は5年間限定です。そのため3期対象の中学1年生が、高校3年生になった時は
6年後ですから、その時に4期はありません。
つまり、はしかの予防接種を受ける機会は2回だけです。
接種対象期間を過ぎると自費接種になり、予防接種代は約1万円です。
対象年齢になった時には必ず受けて下さい。

ワクチン

はしかの予防接種に使用されるワクチンは、はしか・風しん混合ワクチン(MRワクチン)を使用します。このMRワクチンは、これまで、はしかや風しんに罹った人にも使用出来ますし、また、はしかや風しんに罹ったと思い込んでいる人も救うことができます。これははしかと風しんはともに発疹が出る病気ですが、時には診断が難しいことがあるためです。
このような接種方式の安全性は世界的に確認されています。

予防接種の健康被害

予防接種による恩恵は計り知れないのですが、ワクチンの健康被害を心配される方もいると思います。
ワクチンは世界で最も調査されている薬のひとつであり、必要なら改良されており、安全性に対する関心は今後もなくなることはありません。
本当の意味での健康被害は非常にまれであることが分かっています。
ワクチン接種後の健康被害が本当にワクチンによるものかの判断は、非常に難しいのですが、因果関係が完全に否定されない限り、健康被害の救済を受けることができます。
定期接種では、予防接種法で健康被害の補償が手厚く決められており、健康被害を少しでも心配される方は、国が決められた定期接種の期間内に 予防接種を受けることが大切です。

我が国では、残念ながらこの健康被害に対するアレルギーから、様々な病気に対する予防接種が大きく遅れてしまいました。世界では、はしかに限らず予防接種で子どもたちを恐ろしい病気から守ることが進んでいます。
詳しくは「VPDを知って、子どもたちを守ろう」のホームページをご覧下さい。

修飾麻しん(はしか)

はしかに対する免疫が少し残っている時にみられるものです。
多くは典型的な経過を示さず、はしかに特有なコプリックもなく、症状だけから診断することは困難です。
沖縄県の経験では発熱と発疹が1日だけの例がありました。
修飾麻しん(はしか)が見られるのは次の3つです。

  1. 母体からの免疫が残っているとき
  2. ワクチンで獲得した免疫が少し残っている時
  3. γ(ガンマ)グロブリン注射で免疫が残っている時

最近の若者で見られるはしかには、2の原因による修飾麻しん(はしか)が多くなっています。

修飾はしか

合併症

肺炎、中耳炎、クループ症候群などは高頻度に起こる合併症です。
その他に心筋炎、脳炎(2000例に1〜2例)などがあります。
合併症は全体の約30%に起こると言われています。

亜急性硬化性全脳炎(SSPE)

はしかの後、7〜10年で発症する中枢神経疾患です。平均して6〜9ヶ月で死亡します。麻疹罹患者の10万例に1人発生し、治療法のないとても恐ろしい合併症です。このSSPEはワクチン接種でもごくまれに起きると考えられていましたが、そのデータは、はしかが流行していた時のもので、ワクチンによりSSPEになったと証明されたものはありません。
ワクチンによりSSPEになったと考えられていた患者さんからは、野外(自然)感染を起こすはしかウイルスの遺伝子が証明されています。

“誰もが一度は通る道”という意味で「それは、はしかのようなものだよ、、、」という表現がよく使われますが、言葉の雰囲気とは異なりはしかは非常に危険な病気です。上記の合併症などのために入院が必要になることは珍しくなく、現代の医療水準をもってしても1000人に1人は亡くなると言われています。沖縄県においては平成10年7月〜11年9月の約一年間に8名の乳幼児が亡くなりました。(その後平成12年10月〜13年10月の流行期にも1名が亡くなっています)

難病情報センター、亜急性硬化性全脳炎

はしかについてもっと詳しく知りたい方はこちら

国立感染症研究所、感染症情報センター、麻しんQ&A

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